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ここは2036?~006~

ここは2036?~006~

人間のような寿命持たない神姫にとって、一日というのは一瞬…。

そう思う方も居ますが、私は違うと思います。
なぜなら、一日を正確に記録でき、それを短時間で読み返すことができる私達。
神姫にとって、一日はとても"永い"ものなのです。

こんにちは、ハウリンです。
イッチーがあの部屋に侵入から一日が経ちました。
冒頭でも話した通り、あれから時間はさほど経っていません。
ハーは昨日に続いて遊びすぎたのか、今はイッチーと一緒にクレイドルでお昼寝中です。

私はというと、窓際で外を見ながら日向ぼっこ中です。
普段は洋服を着ている私ですが、この時ばかりは素体になって日を浴びます。
そもそもロボットである私たち神姫にとって日に当たる必要は全く無意味なのですが…。
私の場合、犬型の思考ロジックが働くのか、日に当たる事が嬉しくてたまらないのです。
特に、こうやってお腹に日が当たるようにしていると…。

『ん?これは…』

◇◇◇

『マスター?』
「ん、なにハウリン?」
『…こんな日のいいときに表にも出ず、料理本にドックイヤー付けてるマスターは人としてどうなんですか?』
「い、いきなりダメ出しされた!?」
『すみません。本来の用件とは違うのですが、あまりにもダメなので口が滑ってしまいました』
「ハウリンは料理ができるマスターって、素敵だとは思わない?」
『シャレオツです』
「な、なんか逆に馬鹿にされてるような…」
このごろ散歩の時間が減ってる罰です。

「それで、本来の用件って何なの?」
『これを見てください』
そういいながら、私は自分のお腹を指差しました。
「…素敵なお腹だね。撫でてあげようか?」
『いえ、そういう訳ではなくて… ///』

…って、私は何を頬染めてるんですか!?
いえ、確かにお腹を撫でもらえるのは嬉しいんですよ?
私がマスターの元に来た時は、よくマスターが私を犬扱いしてお腹を撫でて…。
でも、それが意外にも気持ち良くって…。

…今なら、撫でてもらってもいいかも?

いえ、やっぱりダメです!
あのときは無知だったとはいえ、はしたない姿をマスターに見られてしまいましたし…。
そもそも、私は犬型ですけど犬みたいな服従のポーズなんて…!

「…ハウリン、本当に撫でてあげようか?」
『ハッ!?』
気が付くと、仰向けに寝そべって、お腹を見せた服従のポーズで待機してました…。
慌てて立ち上がり、なるべく平然を装いますが…。
「後で撫でてあげるね?」
『…はい ///』

欲望には、敵いませんでした…。
嬉しいやら、恥ずかしいやらで、もう思考が混乱してますが、話を戻さないと!
『それは置いといて、ちゃんとお腹を見てください!』
「…この汚れって、トマトソース?」
『はい、昨日の夕食を作っていた際に飛び散ったものです。
服はソースが乾いた後に着たので、幸いにも汚れずに済んだのですが…』
「普通のホコリ程度なら拭けばいいけど、油を含んでるからねぇ…」
『そこで素体の洗浄したいのですが、"汚れ吸着ビーズ"残ってますか?』

◇◇◇

"汚れ吸着ビーズは、まさに字のごとく汚れを吸着するビーズのことです。
見た目は普通のビーズのように見えますが、触るとフニフニと弾力があり、若干ペタっと素体にくっ付く程度の粘着力があります。
このペタっとした粘着力で、神姫や武装についた埃や油などを吸着して汚れを取るのです。

簡単に神姫のメンテナンスができるので、発売当初から人気の商品ですが、最近は香りのついた物も販売されて、今では女性マスターの爆発的な大人気商品になっています。

「でも、わざわざ玩具の浴槽を買わなくても…」
マスターが玩具の浴槽にビーズを入れてくれたので、私は浴槽に手をいれビーズをグルグルと混ぜます。
『雰囲気ですよ、雰囲気。
少しは見た目のことも考えて下さい』
「雰囲気なら、これ使ってみたらどうかな?」
そう言って、マスターが棚から取り出したのは小さな金属製の板でした。
『それ、何ですか?』
「これを浴槽に入れて…」
マスターは言うがまま、浴槽の底にその板をセットしました。
「入ってみて?」
言われるまま湯船に浸かってみると、今まで体験したことのない外部出力からの情報が…。

『マスター、視覚情報に靄がかかるようになったんですけど。
しかも、身体があったかく…』
「それはお風呂のエフェクトだよ」
『エフェクト、ですか?』
「武装を装備したとき、武装側か動作用のプログラムが送られてくるよね?それを応用した技術で、神姫の素体パラメータにプログラムを流すことで擬似的にお湯に浸かった気分になれるんだって」
『なるほど、これがお湯に浸かった感じなんですね』
「どんな気分?疲れがとれる?」

どんな気分と言われても、何とも言えません。
起動してから今までお湯に浸かった経験もありませんし。

それに、神姫はロボットなので疲れというもが分かりません。
そもそも疲れとは、筋肉の疲労や疲労物質の蓄積によるものと言われていますが、私たちにソレはないのですから。
なので、ここは素直にーー

『こうやって疲れをとるなんて、人間って面倒ですね』
「そうなの?僕らは普段やってることだから、普通だと思うんだけどなぁ…」
私は湯船からビーズを一つ手にとって、撫でてみます。
ジワジワと手が温まる感覚は、血流の流れをイメージしたプログラムでしょうか。

くすぐったい感覚、でもーー
『…悪くはないですね』
そう答えると、マスターは微笑みました。
どうやら、私の答えは正しかったようです。

「そのパーツはショップで貰った試供品で、他にも種類があってーー」

そのあと、マスターがパーツについて話を続けていますがーー

なぜか、突然と思考能力が低下してきました。
しかも、強制的にスリープモードにーー。

◇◇◇

『そういえば、マスターって女性もののシャンプー使ってますよね?』

「うん、買ってくるね。それがどうしたの?」

『いえ、何で女性ものなのかと気になって…』

「何でって…僕が女の子だからに決まってるじゃん」

『…え?』

「え?」

『えぇー!?』

◇◇◇

「ハウリン?」
『ハッ!?』
マスターの呼びかけで身体がピクリと反応した為、浴槽からビーズがジャラリと音を立てて零れてしまいました。
「あーあ、何やってるの」
そう言いながら、マスターはビーズを摘まんで浴槽に戻して行きます。
『私は…』
CSCの記録を確認すると、3分間ほどスリープモードに切り替わっていました。
任意でもないのに、スリープモードに切り替わるなんて…。

「驚いたけど、神姫もお風呂で寝落ちすることがあるんだね」
『寝落ち?』
「気持ち良くなって、少し寝ちゃったりすることだね」
『じゃあ、あれは夢…というかデフラグ処理?』

デフラグは断片化したデータを整理するための処理。
スリープモードではデフラグの内容によってはCSCに映像として読み込んでしまうことが稀にありますが…。
あんなデータ、いったいどこで…。

「どうしたの、考え事?」
『いえ、あの…。
確かにマスターは細身で他の方に比べると美男子かと思いますが…。
さすがに女の子とは…ごにょごにょ』
「え、なに、よく聞こえないんだけど?」

マスターが少し心配そうに私の顔を見つめてきますが、私は急に恥ずかしくなって、タオルで自分の顔を隠してしまいました。
うぅ、あんな映像を見た後だと、なんだかマスターの顔が見づらいです…。
ここは、なんとか誤魔化さないと!

『マ、マスター!女の子のお風呂を覗くのはエッチです!!』
「えぇー!?このタイミングでそれを言う!?」
『と、とにかく向こうを向いてて下さい!』
「りょ、了解…」
マスターが後ろを向くよう促し、急いで洋服に袖を通します。
かなり強引でしたが、何とか誤魔化せました…。

「もう、いいかな?」
『は、はい、もういいです…』
マスターが振り向くと、先ほどの恥ずかしさが和らいだのか、マスターの顔が見られるようになりました。
「汚れ、取れたかな?」
『あ…』
そういえば、急いで洋服を着たので汚れが取れてるのか確認してませんでした…。
スカートをめくってみればーー
『えーと…はい、ちゃんと取れてますよ』
「ちょ、ハウリン!?」
『はぅッ!?』
わ、私はなんて大胆なことを!?
マスターが両手で目を覆い見ないように隠しましたが、これ絶対に見えましたよね!?
「…み、見てないからね?」
『う、うわーーん!!』

このあと、ハンカチを布団代わりにして、隠れるようにクレイドルで休んでいました。

『よくよく考えれば、素体を見られただけで、何が恥ずかしいのか…』
そうは思っていても、あのときの記憶はCSCに記録されて離れません。
思い出すだけで、赤面しているのがわかります。

『正確に記憶されてしまう、というのも考えものです…』

◇◇◇

『あの…マスターって、男性ですよね?』
「…どっちだと思う?」
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プロフィール

霧ヶ咲 こかげ

Author:霧ヶ咲 こかげ
GUNMAに住む隠れ武装紳士。
部屋を片付けても、神姫の箱に占領される一方。

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