スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ここは2036?~001~

ここは2036?~001~


ある晴れた日曜日の朝、僕は少女の声で起こされた。
『マスター、起きて下さい!朝ですよ!』
目蓋を開けると、枕元に立つ…身長15センチの少女。
彼女の名前は"ハウリン"。
彼女は武装神姫と呼ばれる少女の姿をしたロボットだ。

「おはようハウリン」
僕はそういいながら、ハウリンの頭を人差し指で軽く撫でる。
『わ、わふん…』
ハウリンは頬を染めながら、尻尾をフリフリと振る。

…ハウリンには尻尾がある。
それは、彼女のモチーフが犬型だからだ。
ちなみに、頭には僕特製の犬耳センサーがついていて、それがハウリンのなかで一番のお気に入り装備らしい。
そう言って貰えると、僕も嬉しい限りだ。

◇◇◇

軽い朝食を済ませ、ハウリンと今日の予定を確認する。
「まず午前中はー」
『10時から開店する神姫ショップですね♪』
尻尾を振りながら嬉しそうに答える。
今日はハウリンと近所の神姫ショップに買い物に出かける予定だ。

神姫ショップとは、字のごとく武装神姫関係のグッズが売られている店だ。
主に売られているものは対戦用に使用する武装だったりするが、その他にもアクセサリーや服まで売られている。
僕の場合は対戦目的に神姫を購入した訳でもないので、どちらかといえば後者が主な目的だったりする。

今日はハウリンとの約束で、神姫用の服を買ってあげることになっている。
だから今日の彼女はいつもより上機嫌なのだ。
「開店時間まで、少し時間あるね。運動もかねて近くの公園まで散歩にでも行こうか」
『はい!』

◇◇◇

家から徒歩6分、近くの運動公園の中を歩く。
ハウリンが僕の胸ポケットから頭をヒョコッと出し、周りを見渡す。
『今日は散歩日和ですねー』
空を見上げ、ハウリンが答える。
空には、ウロコ雲が広がっている。
「やっと秋らしくなってきたかな?」
落ち葉を踏みながら秋の変わり目を確認していると、前から一人のおばさんが歩いてくる。
ハウリンもおばさんに気付いて、挨拶をする。
『斉藤さん、こんにちはー』
「こんにちはー」
「こんにちは。今日も二人でお散歩なんて、仲がいいのねー」
『ふふ、今日はお買い物前のお散歩でーー』

そんな挨拶を交わしながら、ハウリンは散歩中のおばさま方と仲良くなってゆく。
その影響からか、僕もおばさま方に優しくしてもらっている。
おかげで、春には花見に招待されたり、夏には海水浴に行ったりもした。

こうして楽しく過ごせるのも、ハウリンのおかげなのだ。

◇◇◇

適度に時間が潰れ、運動公園を出ようとしたとき、ハウリンが何かに気が付いた。
『マスター、アレなんでしょう?』
ハウリンが道端へと指を差す。
そこには、小さなダンボール箱が置かれていた。
ハウリンが胸ポケットから出ると、箱に近づいて書かれた文字を読み取る。
『拾って下さい…?』
「動物でも入ってるのかな?」
少し前の時代でこんな光景はよくあったようだけど、
いまは法律が改訂され、ペットを捨てるのは禁止されている。
『でも、中に熱源と物音がしませんね』
「…最悪なことしか思い浮かばないんだけど」
そもそも、ダンボール箱にガムテープで封がしてあることがおかしい。
箱の中身が動物として考えた場合、封をしてしまったら動物は箱の中で身動き取れなくなる。
…この場合の最悪とは、中の動物の生死の答えだ。
しかし、拾ってくれる相手を待つのに、そんな酷いことをするのだろうか?

もし、箱の中身が爆弾だった場合はどうだろう。
それにしたって、"拾って下さい"なんて書くのが変だ。
こんな目立つように書いて、警察にでも通報されたら意味がないのでは?

推理したところで答えなんて得られるはずもない。
「さしずめ、シュレディンガーの猫箱ってとこか…」
『なんですか、それ?』
「まあ、開けてみないと最悪か状況かどうかも分からないってこと」

僕は箱に手をかけ開けようとすると、ハウリンがそれを阻止した。
『開けるなら私が開けるので、マスターは少し離れて下さい。
マスターが犠牲になる必要はありません』
「僕はハウリンが犠牲になるのは嫌だなぁ…」
『心配ご無用です、これでも戦闘データが搭載された神姫ですから。
マスターよりは優秀ですよ?』
「…ここはハウリンの顔を立て任せることにしよう」
『任せて下さい!』

僕は箱から5メートルほど離れると、ハウリンが箱のテープを剥がし始めた。
あの15センチしかない体で、テープを剥がすのは一苦労なのだろう。
人ではテープを剥がすのに10秒もかからないが、ハウリンでは約2分かかった。

『マスター、開きました!』
「中身確認できる?」
ハウリンは箱の中をそっと開け、中を確認する。
すると、驚きながら僕を呼んだ。
『マスター、来てください!』
僕は駆け寄り、箱の中身を確認する。

そこには、動物でも爆弾でもない別のーー

「ハウリンと、同型の神姫…?」
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

霧ヶ咲 こかげ

Author:霧ヶ咲 こかげ
GUNMAに住む隠れ武装紳士。
部屋を片付けても、神姫の箱に占領される一方。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
ブロとも一覧

リース・フェレスの混沌サブカル時空
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。