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ここは2036?~003~

ここは2036?~003~


僕らが拾った神姫の一斉、それは予想外の言葉だった。

『わふわふ?』

確か、僕がハウリンを始めて起動した時はーー

◆◆◆

『ーーセットアップ完了、起動します。オーナーのことは、何とお呼びすれば…』

◇◇◇

「うん、こんな感じだったはず」
『ほとんど覚えてないじゃないですか…』
自分のボディをキレイに拭き終わったハウリンが、僕の側へと近寄る。
どうやら、僕は思い出したことを口に出していたらしい。
「さすがにそこまで記憶できてないなぁ…」
『私とマスターの始めての思い出を、忘れてしまったんですか?』
呆れたような表情で、ハウリンが冷たく答える。

これは、まずい。
ハウリンと僕が始めて出会った思い出を思い出せないなんて、マスターとしては痛い失態だ。
ここは素直に謝った方がいいだろう。
「ごめんなさい…」
『まあ、私もマスターの呼称を聞くまでの間は、メモリーに記憶されてないんですけど』
「…このごろ、ハウリンが僕に対する態度が冷たくなってきたと思うんだ」
『さあ?秋になったからじゃないんでしょうか?』
じゃあ、冬になったらどうなるんだろう。
…考えたくもないので話を進めることにする。

クレイドルで待機している神姫を、眺めるとーー
『わふわふ?』
やはり同じ反応が返ってくる。
「うーん、言語設定間違ったか、それともバグなのか…」
『言語設定も間違えありませんし、ステータスチェックも正常でしたよ?』
「ネットで検索してみようか」
ノートパソコンのウィンドを切り替えようとしたとき、目の前に浮遊物が飛び込んできた。
『ダンナ、ちょっと待った!そのことならアッシに任せてくだせぇ!』

◇◇◇

僕の目の前に飛び込んできたきたのは、プチマスィーンだった。

プチマスィーンとは、ケモテック社製の神姫に付属されてるビット型の武装の一種だ。
特徴は、他社の神姫のビットにはない独自のAIを搭載し、神姫のサポートをも行える。

いま目の前を浮遊しているのは、飛行武装状態をした胸に"壱"と書かれた犬のプチマスィーンだ。
『ダンナ、ダンナ!姐さんのことならあっしに任せてくだせぇ!』
そういうプチマに、ハウリンが話に割って入る。
『お前、この子の言ってること分かるの?』
ハウリンがいうと、プチマがチッチッチッと舌打ちし(実際は舌も人差し指もない)、間違ってます的なアピールをする。
『ハウリンの姉さん、アッシのことは"イッチー"と呼んでくだせぇ!』
そんなアピールにイラっときたのか、ハウリンが無表情でこたえる。
『…壱号』
『イッチー』
『壱号…』
『イッチー』
『壱号!』
『イッチー♪』
『…』
『…』
少しの間、無言のやり取りが行われたが、我慢できなかったのはハウリンだった。
『マスター!あいつ生意気ですよ!?プチマのくせに、自分で名前をつけるとか無いですよね!?』
「いや、涙目で言われても…」
『泣いてません!』
そういいつつ、目をゴシゴシと擦って涙を隠す。
…何だか子供の喧嘩を見てるかのようだ。
「えーと、プチマのことはよく分からないけど、そういうモノじゃないの?」
『ぜーんぜん違います!』
「まあ、名前くらいいいんじゃないかな?本人も気に入ってつけたんだし」
『さすが姐さんのマスター!わかってらっしゃる!』
正直、これ以上は厄介ごとを増やしてもらっても困るのが現状で。
もう時間も昼を過ぎてお腹も減ってきたので、話を進めたいのだ。

「で、イッチーはこの子の言ってることが分かるんだよね?」
『姐さんには特殊なボイスパーツが付いていやして、話す言葉が全て"わふ語"に翻訳される訳でさぁ』
「じゃあ、こっちも話す時は"わふ語"に直さないとダメなの?」
『いえ、それについては普通に話してくだせぇ』
「だけど、この子と話す時は常にイッチーが必要になるという訳か…」
僕がそう答えると、イッチーは僕の耳元まで移動し、囁くように言った。
『いえ、普通にケモテック社のホームページにアクセスすれば、無料でハウリンの姉さんにも翻訳が可能にーー』
そのときだった。
ハウリンの頭に着いていた犬耳パーツがピクピクと動いて、
『マスター!ケモテック社のホームページにアクセスして翻訳ソフトをインストールしてきますね!』
してやったりな笑顔で、ハウリンは自分のクレイドルに戻って行った。
「…ウチのハウリンは地獄耳だから、隠し事は無理だからね?」
『へぇ…』

◇◇◇

『わふわふ?(オーナーのことは、何とお呼びすれば宜しいですか?)』
「その一言にそんな長い意味が…」
『まあ、語数はあまり関係ないでさぁ』
僕はクレイドルで待機中の神姫に答える。
「僕のことはマスターでいいよ?」
『わふ、わふふー(了解しました、マスター)』
「マスターって言うのも"わふ"なんだ」
『そういう仕様でさぁ』
『わふふー?(マスター、私に名前をいただけないでしょうか?)』
そう言われて、思い出す。
『どうせマスターの事です、名前なんて考えてなかったんですよね?』
「それ以前に、名前の設定すら忘れてた…」
ハウリンがいつも遊んでいるスーパーボールを僕の顔面に向かって投げつけられたが、鼻先をかすめて回避する。
「全く、神姫にロボット三原則ってのはないのかね…」
文句をいったら二個目が飛んできたので、これ以上は口ごたえしないことにする。
『私の時みたいに、適当につけたら許しませんからね?』
「いや、適当ではないよ?僕はハウリンって名前に惚れて君を迎え入れたんだからね?」
そういうと、照れ隠しに三個目が飛んできた。
それも回避した時、ふと名前が思いついた。

「うん、これがいい」
『わふ?(お決まりになりましたか?)』
「キミの名前は"ハー"だよ。ハウリンの頭一文字を取って"ハー"」
『何だか、ダンナのネーミングセンスがひでぇんですが…』
『私もデフォルトネームだし、マスターときたら…』
そこの二人、いつの間にヒソヒソ話をする仲になったんだ…。

名前を設定しているのか、ハーのボディからキューンと短い駆動音がした。
『わふー(登録完了しました)』
そう答えると、ハーはクレイドルから起き上がり、僕の胸に飛び込んできた。
『わふわふふー♪(よろしくお願いしますね、マスター♪)』
満面の笑顔で答えるハー。
そんな僕らを見て苦笑しながら見つめるハウリン。
僕とハーの周りをクルクルと周り続けるイッチー。

こうして僕たちの生活は始まった。
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はじめまして、平隊員Tと申します。

小説読ませていただきました。
文章に無駄な装飾がなく、武装神姫を詳しく知らない自分ですがスラスラと最新話まで読んでしまいました。
次の話も楽しみにしてます。
ハウリン、かわいい!

ありがとうございます

平隊員Tさん、はじめまして。
ご訪問、ありがとうございます!

武装神姫はKONAMIさんが数年前に展開されたフィギュア兼ネットゲームでして、1年ほど前にアニメにもなったタイトルです。
なので世界観に凝った用語があるのですが、私の作中ではあえて難しいことは書かないようにしました。

今後も少しづつ話を書き続けますが、なにぶん文章力の低く、書くスピードが非常に遅いので(ー ー;)
長い目で見ていただければ幸いです。

最後に一言...やっぱりハウリンかわいい!
プロフィール

霧ヶ咲 こかげ

Author:霧ヶ咲 こかげ
GUNMAに住む隠れ武装紳士。
部屋を片付けても、神姫の箱に占領される一方。

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